有限会社アドバンスオート
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1970 NOVAに1996 CAMAROの心臓と足を移植

古い車を今の車の快適性で走らせたい。しかもメンテナンスの手間も出来るだけ省きたい。
そんなコンセプトで何か作りたいと思っていました。
そんなときに、ちょうど70年のNOVAが売りに出ていたのでそれで作ることにしました。
どうせ作るなら1996年以降のコンピューターコントロールでやってみたい、なぜなら1996年から排ガスやトランスミションコントロールも非常に難しくなっており、この車を作ることによって、その全てを勉強できると思ったからです。
そうは言ってみたものの、下調べに半年以上かかってしまいました・・・
プロジェクトスタート!

そろそろ完成させるだけの知識が出来た頃に、都合よく1996年式のカマロZ28の事故車が見つかったので早速購入して製作に入ることにしました。
ショップ内に2台もの不動車が並ぶと身動きが取れなくなるので、カマロの方を先にバラす事にしました。

必要な部品であるエンジン、トランスミッション、ブレーキ、デフ、シート、メーター、フューエルタンク、そしてコンピューターと一番大変だったハーネス一式。 とにかく使いそうな物は全てはずして整理しておきました。
後からどのコネクターが何処に行くかを探すのは至難の技ですから、出来るだけ細かくテーピングなどをして、行き先を書いておくことが後々の作業時間の短縮になる一番の方法だと思います。
ノバ解体

さあいよいよノバの解体です。
ノバの方はといえば、使用予定はボディーとサスペンションくらいですので、気にせずドンドンバラしていきました。

フロントのフェンダーなども、エンジンマウントや配線関係を作るときにジャマなのでサブフレームを残してバラバラにしました。こうしておいて、まずエンジンマウントとトランスミッションマウントを作り、位置決めをしました。
エアコンも欲しかったのでファイアーウォールの加工もこの時点でエンジンルームサイドだけ終わらせておきました。
このときに大変だったのは、エキゾーストマニフォールドの取り回しとエアコンコンプレッサーや配管でした。
触媒なども全て96の物を使用する予定なのでその辺が大変です。
このへんでコンセプトが固まってきて外装パーツは70年ノバ、内部機械ものパーツはできるだけ、96 カマロでいこうと思いました。そうしておけば後々壊れたときに、パーツの手配が楽になるからです。
車は走る物なのでトラブルがあった時にアメ車を治せる修理屋さんなら修理が出来るようにしておきたいと思いました。
車内の配線も、96のカマロの配線図を見れば解かるように、色を変えないように製作いたしました。これによりライトやターンシグナル類を除いて96 カマロのマニアルの配線図を見れば修理が出来ることになります。
基幹系
ラジエター、エアコンのコンデンサーも96の物が付くようにラジエターサポートを加工製作しました。
デフはFordの9インチが入っていたのですが、特にハイパフォーマンスにするつもりもないしドラッグラースをやるつもりもないので96 カマロの10ボルトのデフをassyで載せました。

96カマロはコイルにスリーリンク、70年ノバはリーフスプリングなので、マウントはワンオフで作り、コイルオーバーにしました。
もともとこの車はコイルオーバーに成っていたのですが、ドラッグを意識した真っ直ぐに付いているタイプだったので、リバウンドのことを考えてショック取り付け角度を変更し、ジオメトリーも変更ました。
この辺の改造をした車にはよくプロペラシャフトが斜めになっていたり、アーム類がロールセンターも考えられずに製作されている車を見ます。 非常に危険なことだと思います。
取り付け部分の強度不足や、不適切な材質の選び方、未熟な溶接技術、または不適当な溶接方法の選び方、どうしてこうなちゃうの?というような車も見ます。 すべてが揃わないと、とても危険な車を作ることになります。

本題の方へ戻ります。
デフなどを装着終了した所で、プロペラシャフトの長さを計測して,加工製作しました。リアブレーキももちろん96 カマロのディスクブレーキを装着しました。
フロントブレーキはノバの物をオーバーホールして、パッドの材質をカーボンメタル系に変更して使用しました。マスターシリンダーassyもペダル、マスターバックも含め96 カマロのものを使用しました。
このままだとリアーブレーキが効き過ぎるのが目に見えてましたので、リアブレーキパイプの間に調整式のプロプーショニングバルブを入れておきました。
フューエルタンク
大事なことを忘れていました。フューエルタンクです。
96以降はタンクの内圧が上がると圧力センサーが働き気化したガスをインテークから吸わせるようになっています。
Novaのタンクは大気開放なので、96のタンクをフーエルポンプやキャニスターごと取り付けるように加工しました。給油口が合わないので、カッコノイイのを見つけてきてリアフェンダーを板金して取り付けました。

板金も自分でトライしたのですが、渕の部分がうまくいかずオートコネクションの小原さんに助けてもらいました。
やっぱりプロはすごいですね!アッという間に純正のように板金してくれました。
排気系
フロント側のエキマニ、触媒まではLT1純正のものを使用する事にしました。
それ以降をステンパイプで製作してLT1の琲圧にバッチリ合っているSS/Rマフラーの太鼓を使用して製作しました。
内 装
いよいよ室内です。
メーターパネルを眺めて見るとノバは角っぽく、カマロは丸っこいです。しかもセンサー類はすべて96です。2日間ぐらいにらめっこした結果ノバのメーターの外枠の中にカマロのメーターをビルドインすることにしました。
メーターの外枠とメーター本体をつなげるアダプターをファイバーでワンオフしました。エアコンの室内ダクト、配線、スイッチもここで製作しました。もちろん配線の色は96カマロの配線色にあわせて制作しました。

パワーシートも配線して96カマロのフロント2脚を使用して(マウントは加工制作)リアはノバの物を使用しました。
ステアリングコラムやキーシリンダーもチルト機構ごとそっくり移植しました。
これによりエンジンキーが96のチップ付きになりました。 ついでにドアーキーも96のを加工取り付けしちゃいました。

サイドウインドウは高速の料金所で面倒なので、後付けのパワーウインドウを取り付けました。
シフターもカマロを使用したついでに、センターコンソールも96カマロのものを加工して取り付けしました。
室内に座ってみるとマルっきりカマロです。(ほとんどカマロのものを移植したので当たり前ですよね。)
ヒューズボックス等もすべて96カマロです。
いよいよクランキング!


エンジンルームにもどり、バッテリートレイ、パワーステの配管、エアコンの配管制作(アルミパイプをアルゴン溶接で繋いだ)コンプューターBOXの取り付け、配線のチェックとレイアウトの上で固定。
固定も振動や熱、耐水など、できるだけ修理しやすいように取り付けます。

いよいよエンジンスタートです!

まずはクランキングだけして、オイルプレッシャーの上がり方と、オイル、水漏れなどを点検します。
点火系を繋げてGo!

アイドルも安定してますしゲージ類もすべてOKです。
あっけない始動でした。

なんだ!カマロじゃん!

これが第一声でした。(笑)
まるっきりSS/Rマフラーをつけたカマロとおなじフィーリングです。
冗談で、「これなら、96カマロにノバのボディーを載せた方が早かったかなー」なんていう会話も出たほどです。(笑)

フロントフードはかなりサビが進んでいたので、ファイバーフードに替えました。
車を地面に下ろし、リア側が車高調なので車高調整を行ったついでにコーナーウエイトも量ってみたところ・・・
なんと普通のZ28より数値が良いんです!
1970年式ノバでサーキット走行!?
作り始めたときはそんな気持ちは無かったのですが、悪い虫が騒ぎ出し、TOLEDO 246 & Advance Autoの主催するFISCO走行会にエントリーしてしまいました。
最初はゆっくり走っていたのですが、あまりにも普通なのでついついアクセルに力が入り、気が付くとAコーナー、ヘアピン、Bコーナーなど、出口でカウンターを当てるほどスピードが出ていました。
2分をちょっと切る位でラップしていたようです。
走行後もすこぶる快調で問題はありませんでした。
一つだけファイバーフードの両端がバタついていたので、走行会ではガムテープで応急処置。帰ってからボンピンを付けたのは言うまでも有りません。
車重が軽いのと前後のバランスが良かったのですごく乗りやすい車になりました。
ノンスリもバッチリきいていてとても気持ちよく走ることが出来ました。
外 装
あっそうそう、外装を話すのを忘れていました。
ファイバーフードと給油口以外はほとんどノーマルです。
リアフェンダーは96 Camaroのデフが少し長かったのとTE37をどうしても履きたかったので、フェンダー内側のミミを叩いて少しだけオーバーフェンダーにしました。
どんな色にしようかと考えているときに、ちょうどMOONのHOT ROD CUSTOM SHOWが近かだったのでエントリーすることを思い付きました。




私Masaは色やデザインに関しては最悪です。
そこでマイルストンの根本氏にデザインをお願いしました。
個人的にはイナリシルバーやブラウンメタなどの爺くさい色が好きなのですが、周り中の反対に合いイエローにゴールドパールというとてもハデな色に決まりました。
単色だと殺風景なのでストライプを入れてもらうことにしました。
更にSS/Rの流れを汲んでいる車なので、SS/R風なイメージを取り込んでもらいました。
言うのは簡単ですが、根本氏とペイントを頼んだハンマークラフトのKazu君は毎晩朝方まで大変だったようです。

すでにショーまで5日間を切ってたにも関わらず、平行して改造申請をお願いしときました。
あ、ついでにナンバーも47でお願いしちゃいました。^^ゞ
ショー搬入当日のPM7:00に出来上がり、速攻で会場へ向かいました。
最後の方でしたが何とか間に合いました。

そして次の日・・・
朝、会場へ行ってみると・・・ なんと!
Best of Conversions
という、メカニックに取っては非常~~に嬉しい賞を頂いていました!
Moonの皆さん有り難うございました!
うちの車は、外から見える部分の改造はほとんどしないので、ショー受けしない車として有名?です。
ほんとに嬉しかったです。

その後、足として使っていましたが、あまり乗る機会が無く、置き場で雨ざらしという事が多くなってきました。
このままではサビサビになってしまうし、どうしようかなー・・・なんて考えていたときに、アメリカ・サンディエゴにいる友達が「乗りたい」ということで、アメリカに里帰りさせることにしました。
アメリカで再びナンバーを付けるのが思ったより大変だったようです。
そして新しいCaliforniaナンバーは・・・

NEO NOVA

かっこいいでしょ~!
去年の中ごろサンディエゴのCarShowに出品して賞を貰ったみたいです。
そろそろ日本に返したいと連絡があったので、せっかくアメリカに在るのだからあまり手を入れなかった内装トリムをアメリカでやり直してから再輸入しようと思っています。