有限会社アドバンスオート
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究極のサードジェネレーション・カマロ製作レポート

3rd カマロで究極のハンドリングマシンを作りたい。
解かりやすく言うと「一般道も走ることが出来、サーキット走行やレースにも参戦できる車」
これがオーナーさんのコンセプト、今回我々が受けたオーダーです。
当初はピロアッパーやコイルオーバーサスペンションの使用も考えましたが、ボディーサス取り付け部分の剛性不足、取り付け部分の補強など不安な要素が有りましたので今回はやめました。
車の実際の用途・キャラクターを考慮しながらオーナーと話し合い、我々が出した結論は、「レースカー同様の手法を用いて徹底的にベースであるモノコックボディーを補強する」でした。
メーカーが一般道走行を最優先して製作した車を、オーナーの個人的欲求を満たすためだけのマシンに変身させるのは、とてもやりがいの有るプロジェクトなのです。
ゼロから製作した車ですが、今回はシャシー製作中心のレポートです。

(※ A-Cars 200X年11月号に当プロジェクトが掲載されました。)
ベース車両は走行40,000マイル、事故歴なしの1991年式 Camaro RSです。
今回のプロジェクトではエンジンもミッションもインテリアも必要ないのでシャーシの程度だけを重視しました。
まずはボディのコーキングはがしです。
モノコックにスポット増しを行う為の下準備なのですが、とにかく手間のかかる作業です。

コーキングをきれいに取り除いたら、全てのモノコックパネル接合面にスポット増しをします。 溶接時にシリコンのカスなど不純物が入ると溶接の強度が落ちるので、絶対強度を上げるためには必要不可欠な作業です。
スポット増しのあとはいよいよロールケージの製作です。
まずは溶接棒を使ってかたどりをして、、、
手動式の油圧ベンダーでクロモリ剛管を曲げていきます。
メインフープはボディ内側ギリギリのラインを通したいのでとても神経を使う作業です。
曲げ終わったパイプをボディーに接合します。
ボディーの内側にピッタリ沿わせるのが理想ですが、サイド部分はボディーの内側より若干小さめに製作しポートバーなどを使用してテンションの掛かった状態で溶接します。
そうする事によってより強度が得られます。
パイプの外周部分プラス、ボックスの外周部分で接合面積を増やすことが出来ます。 使用する鉄板も引張強度が飛躍的に強い特殊な物を使用します。

鉄板から切り出したパネルを溶接して、パイプとボディーを一体化させます。
テーパー状に凹ませた穴(バーリング)
軽量化と強度確保のための物。
平板より波板の方が破断面強度が高いのでこのような加工をします。
ボディの補強が完成したら錆びが出る前にペイント作業に入ります。
とても錆びやすい溶接部分やボディギリギリのロールケージ背面、ウマで上げてのアンダーフロア部のペイント等々、かなりペインター泣かせの内容です。

フットレスト、ニーレスト、フロアボードはアルミ板から切り出したワンオフ物。
これらはドライバーが車に正しい入力をするために必要不可欠なパーツです。
今回のようなプロジェクトでは、板金屋さんとのコンビネーションが仕上がりを大きく左右します。
担当してくれたのはボディショップベルディアの藤岡氏。
自身も'67カマロを所有するフリークです。
最高に気持ちの入った仕事をしてくれました。

今回はシャーシ製作のご紹介をメインにお伝えしましたので他の部分は割愛していますが少しだけ・・・

エンジンはフルローラーの383ストローカーです。
ピークパワーよりも過渡特性を重視して組み上げました。

フロントブレーキはアルコンの4ポッド。
サスペンションは当社オリジナルスプリングとビルシュタインの組み合わせです。
今回はシャーシ製作をメインにお伝えしましたがいかがでしたか?
オーナーさんの期待に応える一台に仕上がったのではないかと思います。